コラム

ABテストで通販サイトを改善する方法

ABテストで通販サイトを改善する方法

通販サイトのコンバージョン率(CVR)を改善するためには、ユーザーの反応を数値で検証し、効果的な施策を導入することが重要です。ABテスト(A/B Testing)は、その実証的アプローチとして有効であり、SEOへの影響も視野に入れながら実施することで、検索順位向上と売上増加の両立を可能にします。本記事では、通販サイトにおけるABテストの導入方法、改善事例、SEOとの関係性について詳しく解説します。

1. ABテストとは?

◆ 定義と目的

ABテストとは、2つ以上の異なるバージョンのコンテンツや要素(AパターンとBパターン)をユーザーに同時に表示し、どちらがより高い成果を上げるかを比較検証する手法です。

◆ なぜ重要なのか?

  • 感覚や仮説ではなく、データに基づいて施策を判断できる
  • 小さな変更で大きな成果(CVRやCTR向上)を生む可能性がある
  • ページの最適化がUX向上・SEO強化にも直結する

2. ABテストで改善すべき主な項目

◆ 商品ページの要素

  • 商品画像の大きさ・配置
  • 商品説明文のボリュームや見出し
  • 価格表示やセール訴求の表現方法

◆ CTAボタン

  • ボタンの色、文言、位置、サイズの違いでクリック率が大きく変動
  • 例:「今すぐ購入」vs「カートに入れる」

◆ ナビゲーションや検索機能

  • メニューの構成やカテゴリの見せ方
  • サイト内検索の表示方法や結果レイアウト

◆ LP(ランディングページ)

  • ファーストビューの見せ方、テキスト量、画像とのバランス
  • フォーム入力項目の数と順序

3. ABテストの実施ステップ

◆ ステップ1:目的の明確化

  • CVR向上/離脱率改善/平均滞在時間の延長など明確なKPIを設定

◆ ステップ2:テスト設計

  • どの要素を変えるかを決定(1回のテストで1要素の変更が基本)

◆ ステップ3:ツールの導入

  • Optimizely、VWO、KARTEなどを使用

◆ ステップ4:ユーザーにランダム表示

  • 一部の訪問者にAパターン、もう一方にBパターンを表示

◆ ステップ5:データの分析と判断

  • 統計的に有意な差が出たかを判断し、成果の高いパターンを採用

4.ABテストとSEOの関係性

◆ 注意点

  • GoogleはABテスト自体をペナルティ対象にはしていないが、以下を守る必要がある:
    • クローキング(検索エンジンとユーザーに異なるページを見せる行為)を避ける
    • テスト終了後は、勝者ページを正規URLとして残す
    • rel="canonical"の適切な使用

◆ SEOにプラスとなるポイント

  • UXの改善(操作性・視認性・滞在時間)がGoogleの評価基準であるCore Web VitalsやPage Experienceに貢献
  • 高CVRページはGoogleにとっても「価値あるページ」と認識されやすい

5. 成功事例から学ぶ改善インサイト

◆ 事例1:商品画像の切り替え

  • A:1枚の静止画 B:スライド式の複数画像
  • Bパターンで滞在時間が28%増加し、購入率が1.3倍に

◆ 事例2:CTA文言の違い

  • A:「購入する」 B:「今すぐ注文(送料無料)」
  • Bパターンでクリック率が22%増加し、CVRが15%改善

◆ 事例3:フォームの入力項目

  • A:全9項目 B:必須4項目のみに簡略化
  • Bパターンでカゴ落ち率が35%低減

まとめ

ABテストは、通販サイトのコンバージョン率を向上させるために不可欠な改善施策です。仮説ベースの運用から脱却し、ユーザーの行動データに基づいた判断が可能となります。さらに、ABテストの結果によってUXを向上させることで、SEOにも好影響を与える点が大きなメリットです。小さなテストから始めて、大きな成果を目指す改善サイクルを構築していきましょう。